みなさん、こんにちは。めくろひょうです。
ツイッターで紹介した本について、内容の補足をしておきます。もし興味がわいた本があれば、ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。
なお、新刊では手に入りにくいものや、文庫になって流通しているもの、電子書籍で入手できるものなど、フォーマトは様々です。
また、一部ネタバレを含む内容もありますので、ご注意ください。
「潜入ルポ東京タクシー運転手」(矢貫隆)
取材目的を伏せ、タクシー運転手として都内を走り回ったノンフィクションライター。そこで見た運転手と乗客の悲喜こもごも。
「タクシー業界の闇」の部分に多くの問題があることは理解できますが、結局は、運転手・乗客双方の人間性というかマナーの問題かと。
「ルポ精神病棟」(大熊一夫)
アル中と偽り精神病棟に潜り込んだ新聞記者。そこは病棟ではなく、」収容所だった。
私は専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、精神病とは何か?どう対処するべきなのか?を考えさせられます。40年近く前のルポですが、状況は改善されているのでしょうか?
「一握の砂・悲しき玩具」(石川啄木)
われ泣きぬれて蟹とたはむる。わずか26年の生涯を駆け抜けた借金王。
素朴な歌風で、さぞ清貧な人物かと思いきや、相当やんちゃで、野心家、そして浪費家だったようです。だからと言って、作品の価値が損なわれるわけではありません。
「藤村詩集」(島崎藤村)
まだあげ初めし前髪の。小説に転向する前の藤村は、こんなにも甘い詩を書いていました。
「破戒」「夜明け前」、自然主義文学の大御所・島崎藤村。ですが、ドロドロの小説を執筆する前は、浪漫主義の詩人でした。「若菜集」「一葉舟」「夏草」「落梅集」の4作品が収められています。
「絶望の裁判所」(瀬木比呂志)
ここに書かれていることが真実ならば、残るのは絶望のみ。
裁判所・裁判官と聞いてどのようなイメージを持ちますか?法の番人であり正義の味方といった感じでしょうか。実際は、役所に勤める役人であり、上司の顔色を窺いながら、いかにして出世するかを考えている。信じられますか?
「ヒトラーとナチドイツ」(石田勇治)
なぜ人々は彼の言葉に耳を傾けたのか?言葉のチカラ。
ヒトラーは暴力的な手法によって政権を奪ったわけではありません。その口から発する言葉によって国民からの支持を得て、政権をつかみます。国民を惹きつけたヒトラーの魅力とは。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(ジェームス・ケイン)
初期ハードボイルド小説の傑作。「おれ」が企てた完全犯罪は成功するのか?
レイモンド・チャンドラーによる探偵フィリップ・マーロウが登場するより前に発表された作品です。
カリフォルニアを駆け抜ける風来坊フランクのロードサイドストーリー。この作品は、悲劇なのか喜劇なのか。
何度か映画化もされています。
一番人気があるのはジャック・ニコルソン主演の1931年版でしょうか。
「高慢と偏見」(ジェイン・オースティン)
見栄と金、そして恋。貴族って暇なんですね。と思いつつ、いつも元気なエリザベスのこ
とは好きです。
ナポレオンが猛威をふるっていた時期、のんびりしたイギリスの田舎町ロンボーンを舞台に繰り広げられるラブコメディ?上流階級ではありながら爵位のないジェントリの女性にとって、結婚は人生を左右する切実な問題でした。
映画化やテレビドラマ化もされています。
イギリス女性にとっての階級と結婚については、「ねじの回転」(ヘンリー・ジェイムス)の作品背景を参照してみてください。
「極楽スキー」(ホイチョイプロダクション)
おっさん世代のバイブル。
「私をスキーに連れてって」を観て、「SURF&SNOW」をセットし、まだ真っ暗なうちに走り出す。関越道・土樽でチェーン装着のスピードを競う。すみません、全然わかりませんよね?
「なんとなく、クリスタル」(田中康夫)
おっさん世代のバイブル。
40年ほど前、東京という街はこんな街でした。いま読み返すと、圧倒的なダサさとともに、貴重な風俗資料としての価値を見い出せます。
以上、オールジャンル雑食読書おすすめ本でした。
気になった本はありましたか?
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