みなさん、こんにちは。めくろひょうです。
今回は、「シラノ・ド・ベルジュラック」の作品背景をご紹介します。
あらすじ
ガスコンの青年隊シラノは詩人で軍人、豪快にして心優しい剣士だが、二枚目とは言えない大鼻の持ち主。秘かに想いを寄せる従妹ロクサーヌに恋した美男の同僚クリスチャンのために尽くすのだが……。
光文社古典新訳文庫HP「シラノ・ド・ベルジュラック」紹介ページ
作品の詳細は光文社古典新訳文庫のHPで。
シラノ・ド・ベルジュラック(人物)
作品の主人公であるシラノは、17世紀フランスに実在した人物です。作品中に描かれているように文武両道の人物でした。凄腕の剣術家であり軍人として出征するとともに、戯曲や小説を残しました。
没後に出版された「月世界旅行記」「太陽世界旅行記」はSFの先駆けとも評されています。(日本は江戸時代初期ですね)
エドモン・ウジェーヌ・アレクシ・ロスタン
20歳の頃から戯曲を手掛け、それなりの成功を収めていましたが、その人気を決定的にしたのが、この「シラノ・ド・ベルジュラック」です。

19世紀末に上演され、大ヒットとなりました。初演から120年以上たった現在でも、世界各地で上演されているって凄いことですね。
「シラノ」の大成功もあり、ロスタンは、わずか33歳にして、権威あるフランスの国立学術団体・アカデミー・フランセーズの会員に選出されました。
シラノ・ド・ベルジュラック(戯曲)
作者ロスタンは、この作品の執筆にあたり、シラノ本人の経歴をベースに、「大きな鼻」がもたらす「悲恋」を盛り込みました。
また、(私はフランス語が読めないのでよくわかりませんが)巧みに韻を踏んだダイナミックな台詞まわしが、この作品の評価を高めているそうです。(原書を読める方がうらやましいです)

訳にあたっては、光文社古典新訳文庫版で、訳者である渡辺守章氏が「どのように工夫したか」を詳細に解説してくださっているので、そちらをご参照ください。
渡辺氏による本文の注釈も、とても詳細に記されています。
まとめ
「男は顔じゃないよ心だよ」を地で行くシラノ。剣の達人であり豪放磊落。歯に衣着せぬ毒舌で、敵も多いが味方も多い。そんなシラノの一世一代の恋の結末は。
フランスの恋愛物というと女性向きと思いがちですが、男性でも十分楽しめる、いや、男性にこそ読んで欲しい、素敵な恋の物語です。
以上、めくろひょうでした。ごきげんよう。
関連作品
人気のある作品なので、何度も映画化されています。
主演のホセ・フェラーがアカデミー賞主演男優賞を受賞した「シラノ・ド・ベルジュラック」(1950年作品)や、作品舞台を現代に設定した「愛しのロクサーヌ」(1987年作品)が主な作品です。
また、今まさに「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」(監督アレクシス・ミシャリク主演トマ・ソリヴェレ)が公開中。
エドモン・ロスタンによる戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」誕生秘話に迫るコメディー。19世紀末のパリを舞台に、新作が白紙の状態で舞台上演を決めた劇作家が、3週間の期限の中で仲間たちと舞台を作り上げていく。
さらに、演劇の本場イギリスで上演された舞台の中から、英国ナショナル・シアターが厳選し収録した舞台を映画館で楽しめるナショナル・シアター・ライブ(NTLive)で「シラノ・ド・ベルジュラック」が取り上げられ、12月4日(金)公開予定です。
いまだに衰えない人気ぶりがうかがえます。
シラノ・ド・ベルジュラック(本人)による作品も入手可能です。
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