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ジャンル問わず雑食読書おすすめ本(2020/8/17-8/23)

オールジャンル雑食

ツイッターで紹介した本について、内容の補足をしておきます。

もし興味がわいた本があれば、ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。

なお、新刊では手に入りにくいものや、文庫になって流通しているもの、電子書籍で入手できるものなど、フォーマトは様々です。また一部ネタバレを含む内容もありますので、ご注意ください。

「ロビンソン漂流記」(デフォー)

ひとり無人島に流されたロビンソンが28年にわたって逞しく生きていくサバイバルドラマ。子供の頃に読んだ方も多いのではないでしょうか。穀物の栽培や家畜の飼育など、長期的視点に立った経済的側面に注目して読んでみると、新しい発見があるかもしれません。

新潮文庫版は、電子書籍だと旧訳(吉田健一)と新訳(鈴木恵)の両方が楽しめます。

岩波文庫版は上下巻に分かれていて、上巻にはこの最初の冒険が、下巻にはその後の冒険(この男は懲りずにまた冒険に出ます)が描かれています。

「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)草思社

なぜユーラシア大陸で文明が発生し、他の大陸へ広まっていったのか?に対する解として、栽培・貯蔵が可能である麦が存在したこと、家畜化することが可能である山羊・牛が存在したことをあげています。

つまり文明の発達には、知性ではなく、「いつ・どこにいたか?」が影響したと論じています。

とても興味深い視点だと思いました。

現在は文庫化されています。

「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)河出書房新社

上巻第1章冒頭部にエッセンスが凝縮されていますので、そのまま引用します。

歴史の道筋は、三つの重要な革命が決めた。約七万年前に歴史を始動させた認知革命、約一万二〇〇〇年前に歴史の流れを加速させた農業革命、そしてわずか五〇〇年前に始まった科学革命だ。

「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)河出書房新社より


下巻に「アメリカ大陸発見前の世界地図」が掲載されていて、とても新鮮でした。

上述した「銃・病原菌・鉄」の著者ジャレド・ダイアモンドは生物学者、この本の著者ユヴァル・ノア・ハラリは歴史学者。

人類が過ごしてきた過程を、両者の視点の違いを感じながら、読み比べてみるのも面白いと思います。

「宇宙飛行士選抜試験」(大鐘 良一・小原 健右)光文社新書

卓越した知性だけではなく、強靭な肉体だけでもなく、閉鎖空間という極限状態においてリーダーシップを発揮する人材とは。

2008年、10年ぶりに日本で実施された選抜試験に密着したNHKスタッフによる迫真のドキュメンタリーです。

人気漫画「宇宙兄弟」の主人公・六太の奮闘ぶりを、さらに深く感じることが出来ると思います。

「クジャクの雄はなぜ美しい?」(長谷川真理子)紀伊國屋書店

化粧をしファッショナブルに装うのは女性の特権。

ヒトの世界においては、そうした見解が主流かと思いますが、動物の世界では、逆の現象が見られます。

つまり、派手に装うのはオスで、それは「メスに配偶者として選んでもらう」ためなのです。

現在入手は困難になっているようです。

「ガウディの伝言」(外尾悦郎)光文社新書

著者の外尾氏は、サグラダファミリア専任彫刻家。

なぜサグラダ・ファミリアは、日本人の外尾悦郎に石を彫らせるのか」が参考になると思いますので、外尾氏の発言を引用しておきます。

ガウディが見ている方向を見て、彼のやりたかったことは何だったのかということを、もう毎日、毎時、毎分、毎秒考えている。

(『致知』2012年12月号 特集「大人の幸福論」より)

サグラダファミリアを訪れる前に読んで欲しい一冊です。

「ゾウの時間ネズミの時間」(本川達雄)中公新書

動物のサイズについて、数字を使いながらわかりやすく解説してくれます。

ゾウもヒトもネズミも、寿命までに打つ心臓の鼓動の数が同じなんて、びっくりしませんか?

他にも、気温の違いによって引き起こされる体のサイズの違い、一呼吸にかかる時間と体のサイズとの関係性など、驚きの連続です。

「怒りの葡萄」(スタインベック)

世界恐慌が起きた1930年代、砂嵐の被害によって故郷を追われた農民一家が、新天地カリフォルニアを目指しますが、そこは既に・・・。

資本家と農民の軋轢を描き、社会に大きな反響をおよぼした作品です。

内容はもちろんですが、文字の力に圧倒されます。

活字を追っているだけなのに、目の前に乾燥したアメリカの大地が広がり、喉が渇いてきます。

ヘンリーフォンダ主演の映画版は、アカデミー賞(監督賞)を獲得しました。

「口語訳古事記完全版」文芸春秋

読みやすい口語訳であるとともに、各ページに丁寧な解説があり、とても親切な作りです。

また、系図・地図・イラストも豊富で、理解を深められます。

とっつきにくいと敬遠していた方、他の古事記で挫折した方におすすめです。

見開き上段に本文、下段に解説というレイアウトになっているので、ハードカバーをおすすめしますが、分冊された文庫版もあります。

「ハプスブルク帝国」(岩崎周一)講談社現代新書

誰もが耳にしたことのある「ハプスブルク家」。

ですが、ハプスブルクという国はありません。

中世から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパ中央部の諸国を束ねた、国を超えた存在です。

複雑に絡み合った当時の様子を、図をふんだんに使いながら、わかりやすく解説した大作です。

以上、オールジャンル雑食読書おすすめ本でした。

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